未経験の仕事にも挑戦!2つの業務を組み合わせて、希望の勤務時間に。
S・Iさん(71歳)
もともとは印刷関係の技術職に就いていましたが、65歳で定年退職し、その後はレストランで調理の仕事に就きました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、そのレストランが休業し、2020年の5月末で雇い止めとなったため、ハローワークを利用して仕事を探しました。年齢的な条件でなかなか仕事が見つからなかったときに、市役所で生涯かつやく支援センターのチラシを見て、さっそく登録しました。
9月の初回面談で、岡山市社会福祉協議会の高田さんに自宅近くの調理の仕事を希望していることを伝えると、その日のうちに電話で養護老人ホーム報恩積善会を紹介されました。すぐに電話をしたところ、事務長の前田さんに「見学に来られますか」と言われ、翌日職場を見学させていただきました。その翌日には面接を受け、すぐに採用の知らせをいただきました。
希望どおりの調理の仕事で、自宅から徒歩で通えることが大きかったですね。ただ、募集が週に3日の勤務だったため、もっと働きたいことを伝えると「お掃除の仕事なら空きがあります」と言ってくださったんです。それまでしたことのない職種でしたが、頑張ってやっていこうと思い、決めました。
現在は、月・水・金曜と第1・第3・第5の日曜の1時半から6時半は、野菜の下処理や配膳、食堂の掃除などの調理補助、火・土曜の1時から4時は施設内のお掃除をしています。毎日同じメニューを作るレストランと違って、こうした施設では朝・昼・晩と毎食異なる料理を作っているので、そういう点が逆に興味深いところです。
ずっと車通勤だったので、歩いてすぐというのが気に入っています。それと、職場の人間関係が良く、いろいろな方のお話を聞けること。私たちの年代の考え方と違って、若い方たちはこういう考えを持っておられるんだなと知ることも楽しいですよ。
勇気を持って、生涯かつやく支援センターをはじめとする支援機関を利用し、サポートしていただければいいと思います。担当者は親身になってサポートしてくれます。まず登録すること、そしてパートナーである担当者としっかりコミュニケーションを取ることが大切だと思います。
社会福祉法人報恩積善会
養護老人ホーム報恩積善会
前田泰史さん
シニア世代が働きやすい環境を整え、地域の雇用創出の一助に。
1912年の創業当初は、若い人たちが福祉施設の仕事に就くことが少なく、地域のご年配の方たちにお手伝いしてもらっていました。そうした土壌もあり、現在、シニア世代が雇用全体の3分の1以上を占めています。その多くは、専門職でなくても可能な仕事を担うパート職員です。業務を切り分けすることで介護・調理職員の負担を軽減すると同時に、ひとつの仕事でも時間や曜日で分けるなどして、シニア世代が働きやすい環境づくりを行っています。地域の雇用を作ることは地域企業としての役目のひとつですし、就労することでシニア世代の方たちに生活面のメリハリや社会に参加しているという意識が生まれればと願っています。
仕事が丁寧なだけでなく、言葉遣いなどもきちんとされている人が多いので、若い職員にも良い影響が及ぶと考えています。また、入居者の方の中には年代が近いことから親しみやすいとおっしゃる方も少なくありません。
社会福祉協議会からのご紹介ということが安心材料のひとつになりました。実際にお話した際に一生懸命でやる気のある方だと感じましたし、調理師免許もお持ちだったので、働いていただきたいと思いました。これまで、ふたつの仕事を兼務という例はなかったのですが、ご本人のやる気に沿いたいという思いから、最初は調理補助のみ、しばらくしてお掃除を1時間、慣れたら時間を少しずつ増やすという形で、今はお願いできる最大の日数と時間を働いてもらっています。
仕事に対して丁寧で一生懸命に従事されています。そして、経験のある調理も未経験の清掃も分からないことを分からないままにせず、自分から周りの同僚に聞かれているのもよいところだと思います。また、入所されている方ともお話をされているようで、お互いにとって地域に顔なじみが増えていくのは、とてもよいことだと思っています。
シニア世代だからこそできることが、まだまだたくさんあると思いますし、ご自分の強みを生かして社会に還元していただきたいと考えています。地域の役員を務めることやボランティアも大切ですが、週に1日だけ、1日に1時間だけでもいいから、仕事をすることで社会とのつながりを作り、元気な姿を若い人に見せていただきたいですね。そして、一般企業にもシニア世代にお任せできる部分を見つけて、地域の雇用を生み出していただきたいとも思っています。
社会福祉法人
岡山市社会福祉協議会
高田博志さん
福祉業とのつながりを生かし、希望をかなえるための調整も。
もともと民間の社会福祉活動を推進していることから、福祉業の企業や施設の方たちと日頃から関係性を築いているので、ハローワークに出されていない求人の情報を入手することができます。また、選考を書類ではなく面接からしていただけるようお願いしたり、個人では難しい就労条件の緩和などの調整も行っています。
Sさん自身がご自分の強みや就労条件を伝えるのがお上手な方だったので、素早くご紹介できました。また、雇用側の担当者と面識があり、ご相談しやすい状況だったことと、何よりシニア雇用にとても前向きだったことが、よい結果に結びついたと思っています。
定年退職した後も社会とのつながりを持っていただきたいと考えています。一歩を踏み出し、登録いただければ、就労に関するさまざまな情報を提供いたします。まずは趣味やキャリア、こんなことがやりたいという希望などを明確にお聞かせください。一緒に考えながら、就労に向かっていきましょう。
相談も、紹介も、無料です。
まずは気軽にお問い合わせください